更年期障害の男の日記

ベストケンコーの評判

。ところが自分は美しくないし、頭も良くないし、家事もで きないって、すごいコンプレックスを持っている。いや、ある種の敵対心というのかな。母親の前だと異常に緊張していて、実家から帰ってくるとげっそりして吐いてし まうこともあったからね。そういう病み方まで瓜ふたつなんだよねえ」 こういう認識が彼の中に何を呼び覚ましたかは言、つまでもない。哀れな女のために力になり たい、守ってあげたいという男らしさがむくむくと頭をもたげ、それを満たしてくれる対象と して彼女にますます夢中になっていった。しかも妻の自立度が増すにつれ、山内らしさの捌けH が閉ざされていたので、反動は大きかった。 「誰かに何かをするということに自分の存在意義があるんだよ。それがかみさんといるときは 感じられなくなってきたから、代わりを見つけたかったんじゃないかと思うね」 男らしさの自己陶酔をふたたび味わった谷口さんは、もはやこれなしでは生き甲斐を感じら れない、自分を支えられないという境地に達したのではないだろうか。不倫はこれにとどまら ず、次から次へと「哀れな女」に夢中になり、相手にその気があれば、すぐに深い関係になっ た。当然、二股も=一股もかけていれば、嫉妬を買ったり愛想を尽かされたりするが、もはや迷 える中年男性の恋愛依存はだれにも止められなかった 「どの子も最初は心の病を抱えているなんて思えないんだよ。ところが親しくなるとあんまり 多いから、なんでそうなるのかなと信じられなかったねえ。もちろん多かれ少なかれ、みんな 心の病を抱えているでしょうけど、僕の相手はひどく病んでいる人ばかりなんだ」 複数の火性へ深人りするにつれ、妻への愛情は冷めていった。長の変化に対する戸惑いや悲 しみや怒りは、次第になくなってきた。つまりは、どうでもよくなった。さらには、妻の存在 が煩わしくなってきた。いつでもどこでも好きなだけ恋人たちとつきあう自由が欲しくなった。

 

 

「かみさんが離れていったということもあるかもしれないけど、彼女に精神的なシンパシ1 が 感じられなくなっていたんだよねえ。むしろ自分を束縛するものとして感じていた」 ちょうどその頃、妻に浮気がばれた。とにかくまめにラブレターを書くことが得意だった谷 口さんは、相手からの返事を引き出しの奥に隠しておいたのだが、帰除のときに妻が見つけて しまったのだ。もはや万事休すだった。 ところが妻は怒って出ていくだけではなく、けじめをつけるための話し合いの場をもうけた。 そこで谷口さんに謝罪をさせて改心をうながす腹づもりらしかった。しかし、「ぜんぶ清算し て一度とやらないと誓えば、いっしょにやっていくけど、あなたどうするの1」と妻から迫ら れたとき、谷口さんは「俺にはできん」と答えた。そこで離婚は決定した。 「ここでオーケーを出しても同じようなことをやっていくだろうなと思ったんだ。かみさんと の約束を守る自信はなかったねえ」 谷口さんは自分自身に正直に生きる道を選んだ。 初めてのED 体験 それと同時期に不況のあおりを受けて会社の経営が傾き、商工ロlンに手を出して返済に追 68 人それそれのE D ι l け ii 第一部 われたという苦労話は冒頭に書いた。しかし驚いたのは、こんな緊急事態のときでさえ谷口さ んは、ちゃっかりと恋人を見つけ、しっかりと交際していたことである。

 

 

しかもふたり同時 ひとりは知人の紹介で知り合った十六歳年下の女性だった。知り合ったときは「何でもない 感じ」だったそうだが、例によって親しくなると、いろいろな心の病を打ち明けられた。鯵病 や県食陪得(矩食症・過食症)の経験があり、まだ完全に治っていなくて、会社を辞めて治療 に専念しているということだったのすると、谷口さんの情念に火がついた。 「川ほ愛の子だったねえ。でも僕は彼女にふさわしくないと思っていたんで、絶対にそういう関 係にならないと思っていたんだ。

 

僕のように俗っぽい男があんな上品なお嬢様に相手にされる わけがないとね」 ところが、休日のある晩ふたりで飲みに行った帰りに、だめでもともとのつもりで谷川さん が円吉に誘うと、彼女は素直に付いてきた。 「ほんとに夢かと思ったんだよ。こんなことなら最初からアタックすれば良かったと思ったぐ らい。ところがだよ

 

ダメになっちゃ、つんですよ。いざそのときになると、ピクリともしない。 彼女の性的な反応は素晴らしかったし、伐を興奈させてくれたから、完全に伐のせがれのほう に問題があると思ったよ」 谷口さんにとって初めてのED 体験だった。驚いて、焦って、もう無理だと伺ったときのシ 69 ヨツクは大きかった。その晩だけではなく、何度も彼交とベッドインしたが、 しなかった いっこうに改惇 70 「いろんな状態があると思うんですまず最初からダメな状態。彼女の体をぎゅっと抱き締め たり、キスしたり、オツパイを採んだりすると、当然興脅するんだけど、もうそのときからピ クリとも反応しない。


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